これも愛,きっと愛?!


『天馬の誕生日は俺がすべて1人でコーディネートする!』

そう宣言してから早くも2ヶ月以上・・天馬の誕生日まであと1週間・・
さすがの伝通院洸も焦っていた。


「天馬は,何を喜ぶのだろうか・・・」
大学病院にあてがわれた自分の部屋で,調べ物をする手を止めて,思いにふけってしまった。
他のだれにもできない自分だけが天馬にしてやれること・・そう考えていて,
一瞬・・・不埒な考えが浮かび,慌てて否定する。
「それはあまりに・・・率直すぎるだろう。」
しかしながら,天馬とのあれやこれや思い出してしまって,一人耳を熱くしているところに,ノックの音が聞こえた。

咳払いをして,居住まいを正してから
「どうぞ。」
と答えた。すっと通った風とともに
「おひさ。洸,今いい?」
ひょっこりと顔を見せたのは,仁だった。
「わざわざどうした?何か用か?」
と問うと,
「ン,洸から渡してもらおうと思ってさ。」
そう言って包みを手渡された。
「何だ?」
「おまえさぁ,なにやんの?」
「はぁ?」
突然の言葉に,間の抜けた声が出た。
「あん時,言ってただろう,天馬の誕生日だよ。」
痛いところをつかれて,思わず黙ってしまった。
「これは,俺と豪から。すっごくいいもん貰ったからね,お返し!」
ちょっと意地悪く笑った仁にそう言われ,すました顔で
「使ってるか?」
と返したら,
「普通,訊くかぁ?そんなこと。」
くすくす笑われ,あげく,使ってるよ,と囁かれた。
「それは役に立って何よりだ。」
そう言ったら,もう駄目だった。2人で目があった瞬間爆笑してしまっていた。
笑いが収まると,仁は
「普通でいいんじゃない,多分。洸が,祝ってやりたいっていう気持ちが伝わればさ。」
そういう奴でしょ天馬は,とそう言った。
「それはそうなんだが・・・」
「なーんか不満そうだねぇ。自分だけ特別なことしたい?」
こういうことに鋭い仁に図星を突かれ,うっと言葉に詰まった。

そんなとき,またノックの音がした。

「どうぞ。」
その声に応えて入ってきた人物を見て,2人とも固まり,声さえ出せなかった。


しかし・・・伝通院の立ち直りは早かった。相手の意図がわかると,今度は自分のために協力を頼んだのだ。
嫌な気配を感じて逃げようとした仁の腕をガシッと掴み,言い放った。
「仁,お前も協力してくれるな。」
断れるはずのない仁が巻き込まれ,さらに,仁が巻き込まれれば必然的に,もうひとり巻き込まれるわけで・・・

こうして伝通院洸による,お誕生日大作戦は始められることとなった。

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