仁は豪といっしょにタクシーに乗り込んだ。
「なあ,豪。おれんちに,寄ってかない?」
「いいのか,こんな時間だぞ。」
「明日,仕事?」
「ああ,いつも通りにな。」
「そっか。じゃ・・泊まって・・いって?」
「仁。おまえも仕事だろう?」
「うん。でもさ・・豪。俺の誕生日,また1時間とちょっと残ってるんだけど。」
「そうだな。2人で,お祝い・・するか?」
「いいの?」
「洸のようには言えないが,そんな気持ちがあったのも・・・確かなんだ,実はな。」
そう,蘭にあんな言い方されなければ,2人で何かお祝いをしてやろうと思っていたのだ。
みんなの前で,あんな披露の仕方になってしまったが,まだ言っていないこともあった。
だから,豪は仁の誘いに乗った。

仁の家に着くと,早速,涼子と直人のプレゼントのワイングラスに,ワインを注いで,乾杯をした。
仁はそのつもりで用意をしてあったらしく,ワインといっしょにクラッカーとチーズも出てきた。
「「乾杯」」
軽くグラスを合わせて,間接照明の柔らかい光にワインをかざす。
ユラユラときれいな赤が揺れて,グラスの模様の反射した光とともに思わず見とれた。
「きれいだな。」
ため息のような仁の声に,豪がそちらを向くと,穏やかな表情の仁がいて。
仁の手からワイングラスを取り上げ,一口ワインを口に含んだ。
そして,グラスを置くと同時に仁を引き寄せて,その口に口移しにワインを注いだ。

「ん・・・,豪・・・」
すぐに離れていった豪を引き寄せるように腕を伸ばし,仁は豪の胸に懐いた。
「やっぱ,これ,よく似合ってるよ。着てほしかった色なんだ,この色。」
「ダイルの色・・って言ってたな。」
「うん。濃い色もすごく似合うけど,明るい色だと,若く見える。」
「若く・・・って・・」
「あはは・・。でも,よく似合ってる,ほんとに。」
「仁のおかげだな。」

猫のようにすり寄る仁を,優しく撫でながら,豪は言葉を紡ぐ。
「仁,サファイヤはお守りになるそうだ。」
「お守り?」
「あの戦いのようなことはもう無いだろうが,お前の業界も大変だからな。」
「豪,俺,赤い方,したい。」
「あれは・・・おまけだ・・・」
ちょっと赤い顔になった豪を仁は嬉しそうに見ながら,
「ううん,あれがいい。あれの方が俺にはお守りだ。」
豪がそばにいてくれる気がするから・・・耳元でそういわれて,ますます顔が赤くなった。
サファイアは昔からお守りとして使われる・・その話を聞いて,豪は今回のプレゼントを思いついたのだ。片方しかつけていないことは知っていたから,ひとつだけにしようと思っていたのだが,選んだデザインがたまたま2つセットでも売っているものだったので,思い切ってセットで買った。ただ,両方サファイヤだったのを,片方,ガーネットに変えてもらったのは,ちょっとした思いつきでしかなかったのだ。しかし,それを仁が喜んでくれて,豪はかえって困惑した。
「仁,そんなかわいいことを言うな。」
豪の顔は酒のせいだけではない赤さになっていた。
仁は豪の腕の中からちょっと離れて,ピアスを付け替える。
豪がくれた,豪の誕生石のはまったものに。

「どう?」
思ったより,中側の赤がキラキラと光る。
仁が動いて角度が変わるたびに,一瞬キラッと光を反射して。
思わず仁を抱き寄せて耳元に口づけを送る。
「もうすぐ,俺の誕生日,終わるよ。」
そう言う仁に,つばむようなキスをしながら,豪の手は緩むことがなかった。
豪は仁を抱き上げると,そのまま,寝室へと向かった。
「誕生日が終わらないうちに・・・」
そういわれて,仁はふわっと笑って
「望むところ・・・って感じかな。」
そういって豪の首にしっかりと手を回して抱きついた。

宝石の神の,祝福あれ・・・!


仁可愛いよ〜♪豪いい男だよ〜♪愛すべき星座-'sもナイス!
keebさん、ありがとうっ!!

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