「ああいうのがお前のタイプだとは知らなかったな」
オレの部屋に入るなり一甲が言った。
「ああいうのって?」
「御前様」
「え〜っ?オレが?なんで?」
「さっき、かわいい、とか言って喜んでいただろう」
「や、あれは、その・・・いや、だって御前、なんっつったら普通、イカツイじーさんとか想像するじゃん。女でもすっげえタカビーな奴とかさ。そういうのと違ってたし・・・実際、かわいかった・・・し・・・」
オレは言葉を飲み込んだ。
なんか、一甲、笑ってないか?
でもって、その笑い方、とっても怖いんですけど・・・
「鷹介、手を出せ」
「へ?」
「クリスマスプレゼントだ」
「ええ〜〜〜っ?」
「なんだ、その顔は」
「いや〜、ぜんっぜん似合わねーなと・・・一甲、クリスマスってなにか知ってたんだ〜」
「・・・ずいぶんな言い草だな。いらんのか?」
「いる!」
オレは両手を差し出した。どんなものであるにせよ一甲からのプレゼントなんてそうそうもらえるものじゃない。
あ、でも牛はパスかも。
七海と一鍬の一件を思い出してちょっぴり嫌な予感がしたその瞬間。
かちゃん。かちゃん。
小さな金属音がふたつ。
「・・・・・・一甲、これ、なんだよ?」
「手錠だ」
「んなもん、見りゃわかる!!問題は、なんでそれがオレの手にはまってるかってコト!!」
「わからんか?」
「わっかんねーよ!とにかく、コイツをはずせよ!!」
「駄目だ」
「なんで!」
一甲は答えず、手錠をかけられたオレの手を取るとそのままベッドに押し倒した。
「うわっ、なにすんだよっ!」
抗議の声は一甲の笑顔に黙殺される。
やっぱり怖えええええ!
その怖さに一瞬ひるんだスキにキスされた。
条件反射で緩んだすき間からするりと一甲の舌が入り込んできて、口の中を暴れ回る。
ちょっと待てっつーの!
しかし抵抗しようにも手錠をかけられた両手は頭の上でまとめてシーツに押し付けられていて動かせないし、足もしっかりと一甲の足に押さえ込まれている。まったく憎たらしいくらい長いよな。
とかなんとか思ってる間に一甲は空いた手でオレの服を脱がしにかかっているし。
チクショウ、こんなのフェアじゃない。
けど、情けないことに、この状況下でも体は慣れた刺激にいちいち反応し始めている。
「・・・なんでだよお・・・」
やっと解放された唇からこぼれたのは、そんな泣き言。
「お仕置きだ」
ぞくっとするような低音で耳元に囁かれた。
くそーくそーくっそー、感じちゃうだろ!!
「オ、オレはなんにも・・・してねー・・・あっ」
首筋を吸い上げられて思わず声が出た。バカヤロー、そんなとこにキスマークつけたら見えるじゃねーか。
「よく考えろ」
「んなこと・・・んっ!」
駄目だって。そんなとこ触られたら考えられねえって。
そんなオレの心の声を無視して、一甲の手と唇はオレの体中を動き回る。
なんで、オレがこんな目に遭うんだよお。気持ちいいけど、こんなのはイヤだ。
「い、一甲・・・ん、ソコ・・・じゃなくて・・・降参・・・んんんっ!・・・こ、こう、さん・・・」
ピタっと、一甲の動きが止まった。
視線を感じて目を開けると、ひどく真面目な顔の一甲が見下ろしていた。
「言ったはずだ。俺はお前を手放す気はないと」
「?」
「たとえ、相手が御前であっても譲る気はない」
もしかして・・・
「もしかして、一甲、妬いてる?」
「当然だろう」
「ぷっ」
吹いてしまった。たちまち一甲の目がつり上がる。
そうか、そういうことか。一甲はオレが御前様をかわいいと言ったことに腹を立ててるのか。
「一甲」
オレは精一杯甘えた声を出した。案の定、つり上がった目が平静さを取り戻す。
「好きだよ」
「鷹介・・・」
がばっと抱きしめられた。一甲って普段クールなのに、感情表現するときはオーバーだよな〜♪
「心配しなくてもオレ、浮気なんてしないからさ」
だからこれ外してくれ、と手を差し出した。
が。
一甲はニヤリと笑い・・・やがった!!
「それはクリスマスプレゼントだからな。今夜一晩つけておけ」
「ええ〜〜〜っ!ちょ、ちょっと待てっ・・・あっあああああ〜」
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翌朝、全身キスマークの鷹介に一甲が怒られたのは言うまでもない。
ちゃんちゃん(強制終了)